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妹の仕事場の小さな畑に、この夏、三つ目のスイカが生った。以前、ここへ捨てた、スイカの種から発芽し、まん丸ではないにせよ、小玉のかわいらしいのが、勝手に生った。その健気さに溜め息をつきつつ、一つ目の相伴に与ったところ、一口食べたみんなが口を揃えて、「すっぱい!」と言った。遅れて、私も戴いてみる。確かにスイカの匂いはする。味は、なるほど、すっぱいとの形容が当たっていなくはないが、自然の甘さは、きちんとある。日頃、どれだけ、美味しいものを食べているのか、食生活を覗いてみたいと思わせられるくらい、みんなは、一口食べた切り、文句ばかりで、一つ目のスイカはなかったことにされた。何の世話もしないのに、自力で実を成したスイカが、憐れで、残りのほとんどを、私が食べた。
「お姉ちゃん、三つ目が生ったよ。冷蔵庫に冷えとる。」(二つ目には、私はまみえておらず)「やっぱり、すっぱい?」「いや、なぜか、甘い」「やったー。」姉妹で、スイカの名産地を歌った。 スイカの名産地と云えば、梅雨入りの頃、山陰へ行き、県道沿いの露店に連れて行ってもらった。既に、それは、見事なスイカが並べられていた。世間話に、この辺りに、最近、ドバイの人が仕事に来ていて、この人達は、毎日、夕方になると、この店に、スイカを食べに来るのだと聞いた。へえ、スイカの名産地の、こんな立派なスイカを、毎日食べられるなんて、ドバイの人は、お金持ちであることよ。私だって、買って買えないことなない。が、しかし、このスイカは、身に余る。まして、独り暮らしとなった今は、生もののお裾分けには限界があるし、それなら、誰かに来てもらわないことには、食べ切れない。何となく気持ちを持て余し、買わずに帰って来た。 そのうちに、梅雨が明けた。ご覧のとおりのこの猛暑。スイカが食べたい。 イギリスの夫より電話。「暑い!」そうだ。「それより、保守党党首選挙は?」と聞くと、国民ではないので、関係ないのだそうだ。「それより、今から、スイカを買いに行く!」一万キロ以上遠くから、ねっとり、汗の感じが伝わってくるようだ。夫の、今の最重要課題は、スイカにあると、理解した。 ユーラシア大陸、中央アジアから西とその南の国の人は、よくスイカを食べる人である。夫と一緒になって、毎年、夏の初めから秋口まで、頼んでもいないのに、よくスイカを買って来てくれた。夫の国みたいに、1キロ当たり何百円では売られていないこの国にいては、「スイカこわい。。。」ほど、飽きるまでスイカを食べ続けることは出来ないにせよ、夏は、切らさず、スイカが家にあった。ブランドものであろうがなかろうが、スイカであれば、私たち家族は、満足だった。甘いのもあれば、味気ないのもあった。裸に近い格好で、スイカを貪りながら、夫がよくした昔話。「トラックの荷台いっぱいに積まれたスイカ。これを食べていいよと言われたことがあってね、幸せだったけど、全部は、とても食べ切れるものじゃなかったよ!」何かのお手柄話みたいに、夫は威張っていた。それを聞いて息子は、「えー、夢じゃないん?」と無邪気に、汗に塗れていた夏が、懐かしい。 妹のところに、勝手に生った、三つ目のスイカ。水分よし、甘み上出来。自然は、どうしてこんなに強いのか?息子のいる空と、夫のいる空を、わざとらしく見やりながら、スイカの名産地を唄ってやり過ごすしかない、こちとら人間様の、スイカの話である。さて、残る猛暑を、いかに乗り切ろうか。
by misa_flamenca
| 2019-08-02 22:49
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