岩国の人に、蓮根(岩国レンコン)を戴く。1キロ弱の重さ。いったい、いくらで売られているのだろう。もったいないね。新鮮なうちに、天ぷらにしよう。落語のまんじゅうこわいに、「蓮根の揚げたんの、穴の部分が好き」という人が出てくる。小学生の頃から、父と、よく、落語を聞いた。まんじゅうこわいの話は、子供でも理解できて、笑えたけど、蓮根の天ぷら、しかも、その穴のところが好きというのは、あんまり、わからなかった。父は、穴のところが好きかどうかはさておき、蓮根の天ぷらを好いていた。父だけでなく、大人はたいてい、好んで食べていたように思う。それがやがて、蓮根というものは、どういう姿が本性なのかを知ると、もっと、わからなくなったように思う。あの泥にしか見えない土の中に、こんなものができるのか。また、あの泥の中から、なんであんなに美しい花が咲くのか。外で荒洗いして土を落とし、台所の流しでさらによく洗うと、薄い茶色の皮が、恥ずかしそうにしている。が、剥くには、結構、手ごわい。蓮根は、茶、緑、ピンクの三色でできていると思っていたのが、実は違った。蓮根は、本当は、白いのである。すべて色は、白から生まれる。そんな妄想をたくましくしながら、一心不乱に、天ぷらを揚げる。岩国レンコンは、食感がもっちりしていると聞いたが、つまみ食いすると、確かにそうだ。今住んでいる町は、戦後もしばらく、レンコン畑ばっかりだったと、こないだ帰りのタクシーの運転手さんが言っていた。哀しいね。道理で、今は、高級野菜になってしまった。わいわい、大家族で、天ぷらを夕餉に食べた時代が、哀しいね。また、みんなで、食べたいね。蓮根の天ぷら、出来上がり。白い色を食べて、私は、さて、何色になるのかな。もったいないね。
ルーマニア料理l@ Marius→
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