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もしもしと同時に、くぐもった轟音。 地下鉄。 想像した通りだった。 どこに行くの? 特段、心配も疑念もあるわけではないが、 一人。との返事に、 そうだよ、孤独。 私たちには、もはや、 電波は、ときどき、途切れる。道理、電波は 逆方向に乗ったかもしれない。一回、降りて、乗り換えるわ。 通話は安定するも、断続的に聞こえてくる、電車の轟音、きしむ車両の音、女の人のアナウンス。それでも、 しかし、よく考えると、目的もなく地下鉄に乗ったと言うわりに、 町の中心部には、大手量販店がないので、 izvor? いやizvorじゃないよ。 私が唯一、 イズボール。 片仮名にすると、最後のルは小っちゃいルの方が正しい。 逆方向に乗ったということは、たとえば、 そう、山手線でぐるぐる。 本当に、孤独なんだね。 そうよ、孤独なんだよ。 ひとしきり他愛のない話をしている途中で、電車を乗り換えた模様。 デスキデウシレ ドアが閉まります。の決まり文句と、ドアの閉まる油圧の音。 乗り換えた電車に腰を落ち着けたところで、 奥多摩から下山した帰りの電車で、新宿まで、 どちらも、 疲れと安心と。この二律背反のうちに、貴方との人生がある。そう思ったけど、 私のいるリビングでは、NHKのニュースが始まっていた。 イスラエル、ガザ地区での戦争。 何故、かくも、子供たちの姿を、テレビは映し出す? いやだいやだ! もう一回、降りる! パニックになりながらも、乗り換えたはずの電車が、 この人は、孤独な暇人ではなかった。 戦争に対して、僕たちは、何も出来ないよ。落ち着いて、大丈夫。分かった?世界大戦が起ったら、歩いてでも、必ず君のもとに帰るからね。 有難うと言うと、こちらこそ、君が電話してくれて、 私たちは、それぞれに、孤独を生きているのである。 電話を切ってしばらくして、一通の言葉のメッセージ。 今、izvor。 一人で、声に出してみる。 イズボール。 記憶の中を、孤独が溶けてゆく。小さいルが、尾を引いて。 疲れのあとの安心。 #
by misa_flamenca
| 2023-10-21 19:10
この頃、気が付いたことがある。
「ああ、腹減った。」 職場の同僚の口癖である。昼にいったん会社に戻って、彼らは、午後からまた外へ出る。肉体を使っての仕事である。雨の日も、雪の日も、猛暑日も、台風も、無しということにはならない、社会インフラ業務である。同じ職場にいながら、一日8時間の労働に、頭が下がる。その同僚とは、一年以上、一緒に働いている。2,3ヶ月前に、この同僚の口癖に気が付いた。他の同僚にも、同じことを口走っているのかもしれないと、観察もしてみたのだが、そういうことはないようである。とにかく、私の顔を見ると必ず、「ああ、腹減った」という言葉が出るようだ。改めてこれを意識し始めてから、俄かに、いとおかしの心持が起こってきた。外から帰った同僚の姿をみとめて、そら、来るぞ来るぞと待ち構えていると、ほれ来た。「ああ、腹減った。」いつの間にか、この同僚を、かわいらしい人だなと感じ始めてしまった。かと言って、余計なことは言いたくない。では、どんな言葉を返せばよいのか?と考えあぐねる前に、思わず、私から言葉が出た。「腹減ったって言われると、お母さんみたいな気持ちになるわ。貴方のお母さんじゃないけど、なんだか、嬉しいわ。元気で、働いて、だから、お腹が空くんよね。しっかり、食べて。」すると同僚は、年上の私に、きちんと丁寧語で「ありがとうございます。」と軽く会釈をして、休憩所へ向かっていった。胸がすく思いとは、こんな感じなのかもしれない。腹を抱えて大笑いするほどではない、苦笑でも失笑でも勿論ない。笑ってはいるが、何となく、水を飲んだ後みたいに、すうっとした感じになって、もしかしたら、今、私は、お母さんの顔になっているんだろうなと、自分の顔を想像する。私は昼で仕事を終え、休憩所に立ち寄り、一休みしてから退社する。件の同僚が、男らしく、昼飯をかっ込んでいる。身体の小さな人だが、弁当箱は、割と大きい。奥さんが持たせてくれているんだろう。同僚という以外には、何のつながりもないけれど、ホッとして、さっきより、もっと、自分が、お母さんの顔になっているんだろうなと、私自身に、ふふふとなった。 #
by misa_flamenca
| 2022-11-14 21:30
待ち合わせの時間に、私は5分早く着いた。まだ、陽は沈んでいなかった。待ち合わせの時間に、君からライン。「あと5分くらいで着くよ」その通りに、君は待ち合わせ時刻を5分過ぎて現れた。言葉を発さずして、笑顔でこんばんわ。君が手にした携帯電話の画面には、ビルの合間に沈む夕陽。「今ね、キレイだったから、撮ったよ」君の唇には、いつもの赤い口紅。今日の夕陽に遜色なく、キレイな赤い唇。10分の間に陽は落ちて、君と私は肩を並べて歩く、釣瓶落としの秋。
一度は、読むリズムの勢いに任せて読み過ごしたのだが、先へ進む私の視線を、何かが引っ張った。待てよ、と思い直し、私は、今読んだ文章を、もう一度読んでみた。
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by misa_flamenca
| 2022-11-10 20:03
街中のコインパーキングのアスファルトの上に、一羽のカラスが歩いていた。真夏の太陽は空のてっぺんにあって、地上のものに、自らの影を作ることさえ許さない。カラスは、ややうつむき加減で、トボトボと歩いていた。目的があったとすれば、陰を探していたのか、水たまりを探していたのか、お腹が空いていたのだとしても、近くに、ゴミの捨てられている状況は見当たらなかった。それか、暑さで飛び立てないのかもしれない。そこへ、歩道を、散歩の途中か、買い物の行き帰りかは知らないが、一人の老人が歩いてきた。手に、傘を持っている。老人は、カラスの姿を見つけるなり、携えた傘で、「こら!あっちへ行け!」と、カラスを脅しにかかった。英国紳士はステッキ代わりに傘を持つと云うが、果たしてこの老人の行動を、誰が美しいと感じることができるのか。もはや申し訳程度にしか生えていない白髪を逆立てんばかりに、威嚇という暴挙に出た老人を、少なくとも私には、醜いとしか感じられなかった。カラスは、なおも飛び立てず、アスファルトの上を、幾分早足になって、老人から遠ざかるのに懸命になった。哀れであった。あのカラスが、どんな悪いことをしたというのだろうか。ただ、熱中症だったのかもしれない、それだけのことなのに。
ある夕方。家路に着く国道の3車線の波。信号待ちの車列に迷い込んだ一羽のカラス。青に変わっても、誰も動き出さない。誰も苛立たしいクラクションを鳴らさない。原付バイクのお兄さんが、バイクを路肩に停めて、バイクから降りた。さまよえるカラスに、飛べ!飛べ!と促がしに掛かる模様。この光景の中にいて、私もひたすら祈った。最後は、声が出た。「お願い、飛んで!」カラスは飛び立った。表現は総意となって、カラスに通じたのであろうか。飛び立った一羽の鳥は、すぐさま、ビルの合間に黒い点となって、空へ消えていった。何事もなかったかのように、国道は、ふたたび機能し始めた。人工物と自然と、そして人間と。三分の一ずつの調和の光景は、美しい夏の風景となったように、私には感じられた。これから先にも、一羽のカラスに教えられることが、まだまだあるような気がしてならない。愛する夫も、うなづいてくれるに違いない。
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by misa_flamenca
| 2022-08-06 18:33
なんだろう。雨も降り続くし、急激に活力が湧いてきたわけでもないのに、昨夜は、とても、嬉しい夢を見た。 『夢記』ゆめのき #
by misa_flamenca
| 2022-05-13 22:25
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